- 8月 30, 2026
🦠非定型抗酸菌症、肺MAC症とは?結核との違いや症状・診断・治療について🦠

最近外来で肺マック症ってどんな病気ですか?と質問を受けるようになりました。健診の胸部レントゲンや検診CTで偶然肺の影が見つかり肺マック症(肺MAC症)疑いと言われるかたが増えている影響だと思います。
実際、肺MAC症とはどんな病気なのか?なかなか耳慣れず、理解しにくい病気なので分かりやすく解説したいと思います。
【肺MAC症と肺結核はどう違うの??】
まずはグループ分けでおおまかな疾患概念をお話したいと思います。抗酸菌症という大まかなグループがあり、定型抗酸菌症と非定型抗酸菌症に分けられます。
抗酸菌症=定型抗酸菌症(結核)+非定型抗酸菌症(結核以外)
《定型抗酸菌症》=肺結核(Mycobacterium tuberculosis)tuberculosisが結核という意味です。
《非定型抗酸菌症》=肺結核以外の抗酸菌症(Non-Tuberculousis Mycobacteria)=NTMと略します。
結核(tuberculosis)では無いとう意味でNonがつきます。
非定型抗酸菌症の中には、①Mycobacterium avium、②Mycobacterium intracellulare、③Mycobacterium kansasii、・・・・・など多くの種類があり約150種類あると言われています。その中で、①Mycobacterium avium、②Mycobacterium intracellulareによる感染が多く、この2種類の菌を合わせて ”肺MAC症(肺マック症)と呼んでいます。
分かりやすく言うと、肺MAC症は非定型抗酸菌症の中の代表的な2菌種のことを言っているとなります。
【NTMの感染経路】
※NTM、肺MAC症は人から人への感染はありません。
・土壌、水系、食物、動物などに生息しています。
・吸入による呼吸器感染が多く、水や食物を介する消化器からの感染もあります
・最も”肺”に病変を作りやすいですが、リンパ節や皮膚、骨、関節に病変を作ることもあります。
【症状】
・症状がなく、健診や人間ドックでの胸部画像検査で発見される事が多いです。
・咳、痰、血痰、微熱、体重減少がみられる事があります。
【診断方法】
・肺NTMを疑う画像所見があり、喀痰検査からNTMが2回検出されれば診断となります。
・痰が出ない場合には、気管支鏡検査を施行しNTMが1回でも検出されれば診断となります。
・補助的な診断方法として、採血で「抗MAC抗体」(肺MACの細胞成分に対する抗体)を検査します。
【治療】
・完全に治癒に導く薬物療法はまだ確立されていませんが、進行が比較的ゆっくりで、自然に改善することもあり、軽症の時は経過観察となることが多いです。その場合には、3〜6か月に1回程度、胸部画像検査をしながら進行していないか定期的なフォローをします。
・また軽症の場合、進行を抑える目的でエリスロマイシンの内服少量投与を行うこともあります。
・①画像で空洞病変がある(肺の組織が崩れている)、②過去の画像と比較してどんどん悪化している、③咳や血痰など症状が強い、などの時には薬剤治療を行います。
・代表的な治療としては、3種類の抗菌薬の内服治療(クラリスロマイシンもしくはアジスロマイシン、エタンブトール、リファンピシン)を2〜3年内服(喀痰から菌が培養されなくなってからプラス1年間内服)が推奨されています。
・病勢が強い方や内服が効きにくい菌の種類の場合には、ストレプトマイシンやカナマイシンの注射薬や、アミカシンの吸入療法を行うこともあります。
・クラリスロマイシンでは消化器症状の副作用、エタンブトールでは視神経障害の副作用、リファンピシンでは肝機能障害や発疹、血球減少などの副作用、ストレプトマイシンやカナマイシンでは聴神経障害の副作用があるため、定期的な眼科や耳鼻科の受診も必要になってきます。
【日常生活で気をつけること】
・基本的に活動制限はありません。
・免疫力が落ちないように適切な運動、栄養をとりましょう。
・土壌に生息するので土をいじる作業はマスクや手袋をしましょう
・水場にも菌は生息するのでお風呂場は清潔にして乾燥させましょう
当院でもNTM、肺MAC症の検査・診断を行なっており、心配な方はお気軽にご相談ください。
💫少しでも肺MAC症で悩む患者様がいなくなりますように💫