吸入器がきちんと吸えていますか？

今日は喘息の吸入器のお話をしたいと思います。

先日、当院には初診で『喘息と診断され吸入治療をしているのですがあまり咳が良くなりません』という患者様がいらっしゃいました。現在吸入している吸入薬がきちんと吸えているかを確認するために、「エリプタトレーナー（写真参照）」というもので吸入指導をしたところ、吸入力が弱くて薬剤がきちんと吸入できていないことが判明しました。お若い方だったのですが少し弱めに吸ってしまっていたようでした。

「エリプタトレーナー」とは・・・正確に薬剤を吸入できるように練習する器具で、薬剤は入っておらず、きちんとした吸入ができていると吸入している時に「ぽーーー」と音が鳴る器具です。言い方を変えれば、音が鳴らないと自分では吸入した気でいても薬剤はきちんと吸入できてないということなのです。ご高齢の方やお子様で吸入力が弱いと音が鳴らないこともあります（ある程度の目安としては、ラーメンやそばを啜れる力があれば吸入力はあると思います）

前述の患者様に吸入方法を数回指導したところ、きちんと音が鳴り吸入ができるようになりました。１か月後に再診でみさせていただいたところ、薬剤を変えてはいませんがきちんと吸入ができるようになったことで、咳や息切れの症状は消失し調子が良くなったとのことでした。

当クリニックでは、吸入薬を初回で処方する時には必ずクリニックでトレーナーを使用して吸入ができているかを確認し、そして薬局でも吸入指導をしていただきダブルチェックをしております。それくらいきちんと吸入できているかを確認することは大切なことなのです。

もし、今の吸入薬を使用していて症状が改善しない時には、きちんと吸入できているかを確認することが大切ですのでぜひ相談して頂ければ幸いです。