• 4月 15, 2026

🌀小児喘息の吸入薬を怖がらないで。お子さんの肺の成長を守るために知っておいて欲しい事🌀

お子さんが気管支喘息と診断され、吸入ステロイド薬を勧められた時に、親御様が「ステロイドを使用すると身長が伸びない??」という噂を聞き吸入ステロイドを自己中断してしまうことがあります。結論から言うと、『吸入ステロイドでごくわずかな影響はあるものの、喘息を放置する方が子供の成長に悪影響を及ぼすリスクが高い』というのが、現在の喘息治療の考え方です。自己判断で吸入治療を中断しないで欲しいと思います。その理由をお話ししたいと思います。

【吸入ステロイド薬の有用性】

喘息の原因は、 ”気道の慢性的なアレルギー炎症” です。吸入ステロイド薬は、このアレルギーの炎症を抑える長期管理薬です。

(一般的な内服薬)薬を飲み込んで食道→胃→腸と運ばれていき体内に吸収され、血流にのり全身に運ばれて効果を発揮します。

(吸入薬)吸入することで、咽頭→気管→気管支と吸入薬の粉が吸い込まれ、アレルギー炎症の起きている気道粘膜に直接付着して炎症を抑えます。内服薬と比較すると血液中に移行する量はかなり少なくなっています。

①肺機能の保持:気道の炎症を放置すると気道が固くなる”リモデリング”が起き、将来的に呼吸機能が低下し元に戻らなくなってしまうため吸入ステロイドでしっかり気道炎症を抑えることが大切です。

②喘息発作の予防:気道の炎症がコントロールできていると、風邪をひいたり感染症を起こしたりしても喘息発作が起きにくくなります。

③生活の質の向上:夜の咳による睡眠不足を防ぐことで成長が促進し、また運動制限をしないで済むようになり健やかな成長を支えることができます。

【吸入ステロイドによる低身長に関して】

吸入ステロイドを使用している患者様の大規模な臨床試験があり、吸入ステロイドによる身長の影響は、「治療開始の1年間に年間1cm程身長の成長速度が緩やかになったが、最終的な成人になった時の身長の差は、吸入ステロイドを使用していなかった人と比較して約1.2cm程度の低身長であった」と言われています。

【喘息コントロール不良の小児が吸入ステロイドを使用しないリスク】

副作用を恐れて吸入ステロイドを使用しない事自体でも低身長を招く恐れがあると言われています。喘息のコントロールが不十分で夜の咳が続き眠れない場合には、成長ホルモンの分泌が阻害されて身長が伸びなくなってしまいます。

〜〜〜結論〜〜〜

””喘息と診断された場合には吸入治療をしっかり行い、気道炎症・呼吸状態が改善すれば徐々に減量していき、必要最低限の量・もしくは 吸入終了にしていく””

ことが大切です。漫然と使用せずに常に減量・終了を念頭におきながら外来でフォローしてくことが大切です。1.2cmの身長差を気にするあまり、一生に関わる呼吸機能の成長を損なったり、喘息で大好きな運動ができなくならないように、しっかり診断・治療をしていくことが大切です。

不安なことや疑問点があれば気軽にご質問ください。

💫少しでも咳で困るお子様・親御様がいなくなりますように💫

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