• 7月 21, 2024
  • 7月 24, 2024

👦小児喘息について👧

最近当院でも小児喘息の患者様が受診されるようになってきたので、少しブログに書かせて頂きたいと思います。

日本における小児の気管支喘息の有病率は約5%と言われています。

小児喘息の発症と増悪には、家族歴/アトピー性皮膚炎/ダニなどの吸入アレルゲン/ウイルス感染症/家族からの受動喫煙などの要因が関わっています。両親が喘息であればお子さんも喘息を発症する可能性が高く、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などがあるお子さんは喘息を発症する可能性が高いと言われています。

喘息を疑う場合には、詳細な問診や診察の他に下記のような各種検査を施行し診断していきます。※診察時に「ひゅーひゅー、ぜーぜー」が聞こえなくても喘息の可能性はあるため、問診・検査が大切になってきます。

クリニックに受診する際は、●咳の経過、●夜から朝にかけて多いのか、●運動時に咳や息苦しさがあるのか、●鼻水などはあるか、●服薬歴(どんな治療をしてきて、それが効果が有ったのか無かったのか)、などのお子様の状態を教えていただければ診断の手がかりになっていきます。

【喘息の症状】

呼吸をするときに「ひゅーひゅー、ぜーぜー」音がする。夜から朝にかけての咳や息苦しさ。息苦しさや咳込みが続く。咳で夜寝られない。

【喘息の検査】

《採血》好酸球数、血清総IgE値、各種アレルゲンに対する採血

《呼吸機能検査》モストグラフ、呼気NO検査、スパイロメトリー

上記のような検査を組み合わせて診断をしていきます。

【治療】

小児喘息の治療目標は、発作を起こさずに健康な子供たちと同じように生活できるようにすることです。また大人の喘息に持ち越さないように、しっかりと子供のうちに治し切ることです。喘息は症状がない時でも気道の炎症は起きているので、症状がないからと言って薬をやめず、毎日継続し気道の炎症をとっていくことが大切です。またアレルゲン採血の結果でダニやハウスダストが陽性の場合には、寝具周りの掃除などを指導したり生活指導と環境対策をおこなっていきます。

治療薬としては、

①気道炎症を抑える

・吸入ステロイド、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン

②気管支を広げる

・β2刺激薬(吸入薬と貼付薬など)、テオフィリン

などがあります。

★喘息の治療で絶対にお願いしたいことがあります★

『発作がなくても、咳が出なくても、毎日きちんと内服、もしくは吸入薬を続けて自己判断で辞めないこと』です。喘息発作で来院して吸入薬ですみやかに改善したとしても気道の炎症は残っています。きちんと気道の炎症を治療してからお薬を辞めないとすぐに再燃しますし、気管支が硬くなり、肺の成長不全に繋がります。

当院では院長が呼吸器専門医であり、小児喘息の診療も行っております。3〜4歳になるとモストグラフ検査、5〜6歳になると呼気NO検査、7〜8歳になるとスパイロメトリー検査ができるようになります。お子様の咳が長引いていたり、喘息の検査を希望される方はぜひ当院へお越しください。原則3歳以上の患者様の診療をおこなっております。

少しでも咳で困っている患者様がいなくなるよう、日々診療に励んでいきたいと思っています。

かくた呼吸器内科・乳腺クリニック 0285-53-5665 ホームページ