• 9月 2, 2025
  • 9月 3, 2025

💊「喘息だけど痛み止め(ロキソニン)飲んで大丈夫?」アスピリン喘息と痛み止めのお話💊

喘息で治療中の患者様から、「喘息があるけど痛み止め(ロキソニンやボルタレン)は飲んで良いのですか?」とよく質問を受けます。疑問に思っている方も多いと思いますのでまとめてみようと思います。

【ロキソニンってそもそもどんなお薬?】

ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)は、痛い時や発熱がある時に使用われる抗炎症作用のある解熱鎮痛薬です。NSAIDs(エヌセイズ=非ステロイド系抗炎症薬)と言われるお薬に含まれます。NSAIDsにはさまざまなお薬があり、代表的なものにはロキソニン、ボルタレン、バファリン(馴染みがあるような商品名を記載)などがあります。

【アスピリン喘息とは?】

ロキソニンなどのNSAIDsを内服し、喘息発作が誘発される方をアスピリン喘息といいます。

特徴としては、

・喘息患者の5~10%に存在する。

・女性に多く、20-40歳で見つかることが多い。

・慢性的な副鼻腔炎があったり、鼻茸を合併している

・内服してから1時間以内に症状が出る

などがあります。

今まではロキソニンなどNSAIDsを内服していても大丈夫だったのに、20-40歳で突然NSAIDSへの過敏性があるアスピリン喘息を発症します。(喘息発症後にNSAIDsを内服していて発作が起きていなければ、アスピリン喘息は否定的です)

全ての喘息患者さんがロキソニンを内服できないわけではなく、喘息の5-10%のアスピリン喘息と言われる患者さん達が内服できない、ということです。

【アスピリン喘息の場合、代わりの痛み止めはあるの?】

①アセトアミノフェンカロナール

カロナールと言われるお薬はアスピリン喘息の方でも安全性は高いと言われていて、こちらを使用することが多いです(ただし絶対ではありませんし、添付文書上はアスピリン喘息の悪化する恐れがあると記載されていますので注意しながら使用します)

②COX-2阻害薬:セレコキシブ(商品名;セレコックス)など。

使用可能ですが、喘息症状が不安定な場合は喘息発作の悪化が報告されており注意が必要です。

③塩基性NSAIDs:チアラミド(商品名;ソランタール)など

【まとめ】

全ての喘息患者さんがロキソニンを内服できないわけではなく、

ロキソニンを内服して喘息発作を起こしたことがある方や、

アスピリン喘息の診断を受けている方が内服できないということです。

自分がアスピリン喘息の可能性があるかどうか不安に思われる方は、診察の時にご相談していただければと思います。

💫少しでも咳で困る患者様がいなくなりますように💫

*** 追記 ***

ここからは少しNSAIDsの細かい分類のお話です。

NSAIDsには、❶酸性NSAIDs と ❷塩基性NSAIDsに分かれます。

❶酸性NSAIDs(よく目にする代表的なもののみ列記します)

⑴サリチル酸系:アセチルサリチル酸(アスピリン)

⑵フェナム酸系:メフェナム酸(ポンタール)

⑶フェニル酸系:ジクロフェナク(ボルタレン)、インドメタシン(インダシン)、フェルビナク、エトドラク ※湿布に使用されいるお薬が多いです。

⑷プロピオン酸系:イブプロフェン(ブルフェン)、ロキソプロフェンNa(ロキソニン) 

⑸オキシカム系:メロキシカム(モービック)、ロルノキシカム(ロルカム)

ここまでの⑴〜⑸がアスピリン喘息の人が避けなければならない酸性NSAIDsです。

⑹コキシブ系(COX-2阻害薬):セレコキシブ(セレコックス)。アスピリン喘息の人でも内服可能ですが、喘息症状が不安定な場合は喘息発作の悪化が報告されており注意が必要です。

❷塩基性NSAIDs

塩酸チアラミド(ソランタール)、塩酸チノリジンなどがあります。こちらもアスピリン喘息の人でも内服可能ですが、注意は必要です。

そして、最後にアセトアミノフェン(カロナール)のお話。

NSAIDsとカロナールの違いとして、

NSAIDsは「抗炎症作用を持つ解熱鎮痛薬」であり、

カロナールは「抗炎症作用を持たない解熱鎮痛薬」です。

かくた呼吸器内科・乳腺クリニック 0285-53-5665 ホームページ