• 12月 18, 2024
  • 12月 21, 2024

🤰妊娠と喘息について🫄

最近、女性の患者様から『喘息の治療をしているけど妊娠を考えています。喘息の治療はどうすれば良いですか?』と質問を受けました。赤ちゃんへのお薬の影響を考えると不安になられたのだと思います。疑問に思っている方もいると思いますので、今日は’妊娠と喘息’について書いてみたいと思います。

***妊婦さんの喘息の割合***

・妊娠・出産年齢の女性で喘息の方は、5.6%と言われています。

・喘息患者の約23%が、妊娠中に喘息が増悪すると言われています。

***妊娠中の喘息治療***

喘息の悪化により、胎児に低酸素血症(赤ちゃんに酸素が行き渡らない)をもたらしやすく、その結果早産や低出生体重児や先天異常の発生率が高くなると言われており、きちんと喘息のコントロールすることが大切です。

妊娠期間中の薬の使用は胎児への影響がでるのではないかと不安になり、治療をためらう気持ちも分かりますが、多くの喘息治療薬が妊婦さんにも安全に使用できると言われており、きちんと治療をすることが大切です。(使用できる薬剤は下記の具体的な治療方針にも記載します)。妊娠中の喘息の悪化の原因の一つが、妊娠時期のお薬の中断と言われています。

お伝えしたいことは・・・

妊娠前から喘息の治療をされている方は、引き続き治療を継続することが大切です。

妊娠中に喘息が発症した方は、喘息の治療を開始し、母・胎児ともに低酸素血症にならない様にコントロールすることが大切です。

***具体的な治療方針***

●まずは吸入ステロイドのみでコントロールができるか治療する

●コントロールが難しい場合には、吸入β2刺激薬や吸入抗コリン薬を追加する

●内服薬としては、テオフィリン製剤やロイコトリエン受容体拮抗薬(モンテルカスト、シングレアなど)の追加を検討する

●喘息発作時には、吸入短時間作用型β2刺激薬(サルタノール)や全身性ステロイド薬を使用する(母児への安全性が高く、増悪治療を躊躇しないように勧められています)

上記治療方法が挙げられます。

個人的には「しっかり喘息の治療をしつつ、必要最低限のお薬でコントロールをする」というのが大切であると考えています。

これから妊娠しようと考えている方、妊活中の方で喘息の治療中の方でも、きちんと喘息のコントロールができていれば、何の問題もなく妊娠・出産ができます。治療方法やお薬の影響など不安になる点があると思いますが、お気軽にご相談ください。

少しでも咳で困る患者様がいなくなりますように💫

かくた呼吸器内科・乳腺クリニック 0285-53-5665 ホームページ