- 5月 25, 2025
💤睡眠時無呼吸症候群について💤
4月から新生活が始まり多忙な日々を過ごしている方も多いと思います。
最近働き盛りの方で、
・しっかり睡眠をとっているのに日中の眠気が強い、
・朝起きた時に頭が重い、
・家族に睡眠時の無呼吸を指摘された
などの症状があり、睡眠時無呼吸症候群の精密検査希望で受診される方が増えた印象があります。
今回は、睡眠時無呼吸症候群に関してお話しようと思います。
【睡眠時無呼吸症候群とは・・】
睡眠時無呼吸症候群は、英語でSleep Apnea Syndrome(SAS)といい、よく「サス」と略されて呼ばれます。眠っている時に自分では感じないものの、呼吸が止まったり、呼吸が浅くなることで体が低酸素状態になり、体は熟眠できず日中の眠気や集中力低下をきたします。下記の症状があるかたは睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますのでぜひご相談ください。
【睡眠時無呼吸症候群を疑う症状】
・いびきがうるさい
・睡眠中に呼吸が止まっている。
・夜中に何度も目が覚める
・朝起きて頭が重い、すっきりしない
・日中の眠気が強い、運転していてすぐ眠くなる
【合併症のリスク】
睡眠時無呼吸症候群があるのに放置している場合、高血圧・心不全・糖尿病・不整脈・脳卒中・夜間突然死のリスクが出てくるため治療が必要となります。
また睡眠時無呼吸症候群の患者様は、一般の方と比較して交通事故が2.4倍多いと言われています。治療をすることで事故のリスクも改善すると言われています。
【睡眠時無呼吸症候群の重症度】
重症度は、AHI(Apnea Hypopnea Index):無呼吸低呼吸指数で表します。AHIとは、1時間に10秒以上の無呼吸・低呼吸が発生した回数です。
正常:AHIが5回未満
軽症:AHIが5回〜15回未満
中等症:AHIが15回〜30回未満
重症:AHIが30回以上
上記のようにAHIの回数で重症度分類がされます。
【検査・診断方法】
①診察:
病状の確認、肥満の有無、扁桃腺腫大の有無などを診察します。
②簡易検査:
睡眠時の呼吸状態や心拍数、酸素飽和度を測定できる携帯型の検査装置を貸し出し、自宅で検査をします。(AHIが40回以上の時は、重症であるためこの検査だけでCPAP適応となります。AHIが40回未満の時は、③の精密検査に進みます)
③精密検査:在宅ポリソムノグラフィー検査
簡易検査の項目に加えて、脳波や胸腹部の換気運動などもさらに詳しく検査します。こちらの検査もご自宅で検査ができます。(精密検査の場合は、AHIが20回以上でCPAPの適応となります。)
【治療】
・アデノイド肥大や扁桃肥大がある場合には手術で取り除くこともあります。
《軽症の場合》
・マウスピースを使用したり、肥満がある場合は減量を指導します(10%の体重減少でAHIが26%減少したという報告もあります。)
・少しでも重力の影響を受けないように、仰向けではなく横向きに寝ることで症状が改善する事もあります。
《中等症以上の場合》
・CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を行います。睡眠時に鼻マスクを装着し、加圧した空気を送り込むことで気道の閉塞を防ぎ、無呼吸が改善されます。
ホームページ内の「診療内容」の欄でも睡眠時無呼吸症候群に関して説明しておりますのでそちらもご参照ください。
当院で睡眠時無呼吸症候群の検査・治療を行なっていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。