- 1月 12, 2025
- 1月 14, 2025
👦小児喘息と吸入ステロイド👧
先日、「”副作用があるから子供は吸入ステロイドを使用しないほうがよい” と知り合いに言われたのですが、吸入はやめた方が良いでしょうか?」 と質問がありました。薬の副作用・・・とても心配になりますよね。
お答えとしては、『吸入ステロイドが必要な喘息の状態であれば、吸入ステロイドは続けた方が良い』です。
今回は、吸入ステロイドの必要性・副作用に関してご説明したいと思います。
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【吸入ステロイドの必要性】
喘息は、気道(呼吸をするときの空気の通り道)に「アレルギーの炎症が起こり気道が浮腫む」→「気道が狭くなる」ことで、咳が出たり、ヒューヒューしたり、息苦しさが出てくる病気です。
そのため治療としては、『アレルギーの炎症を無くす』ことが一番大切な治療になります。
炎症をとるお薬としては、💊内服のロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレア、モンテルカスト、オノン等)と💊吸入ステロイドがあります。
軽症の場合はロイコトリエン受容体拮抗薬で炎症を抑えることもできますが、
月に1回以上咳症状が続く場合には吸入ステロイドの使用が推奨されています。
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【吸入ステロイドの副作用】局所的と全身的に分かれます。
<局所的>
咽頭刺激感・嗄声・口腔カンジダなどがありますが、吸入後のうがいや歯磨き・スペーサーなどの補助具の使用により改善することができます。
<全身的>
おそらくこの副作用が皆様が心配していることだと思いますが、フルチカゾン(フルタイド)換算で200μ/日以下であれば概ね問題ないと言われています(=低用量であれば副作用は問題ないということです)
身長に関しては、吸入開始後1年間で0.48cm程度の成長抑制があり、4~6年吸入を使用すると成人期までフォローした場合に最終身長が1.2cm低かったという報告がありました。
ただ吸入ステロイドが必要な状態なのに使用しないほうが、気管支や肺の成長が抑制されますし、咳で日常生活に支障が出る、夜咳で眠れない、などお子様の成長に悪影響がでると考えられます。
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★大切なことは、
必要であれば吸入ステロイドを導入し気道の炎症をとり、
漫然と続けずに症状が3か月安定していれば徐々にお薬を減量し、
必要最低限の吸入ステロイド量・もしくは中止できるか注意深く診ていく
事だと思います。
治療方針や治療薬で不安なことがあればなんでもご相談ください。
💫少しでも咳で困る患者様がいなくなりますように💫